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2015.12.28更新

 うつの治療としてまず選択されるのが抗うつ薬と呼ばれる、お薬を飲んでの治療です。現在さまざまな抗うつ薬がありますが、その効果は7割程度の方にとどまり、逆に3割の方は抗うつ薬での効果はないとうことになります。効果がない原因はいろいろ考えられますが、この治りにくいうつを治療するためにこれまで様々な工夫がされてきました。その一つとして最近注目を浴びているのはアリピプラゾール(商品名エビリファイ)を代表とする統合失調症の方に使う薬を抗うつ薬に追加して治療する方法です。既に海外の有名な雑誌にもデータとして示されています。

 ただこの種の薬は副作用でソワソワして落ち着かないといった特徴的な症状が出現することがあります。うつの方の中には不安や焦りで落ち着かなくなる症状もあり、先ほどの薬を追加することで副作用によって落ち着かなくなる症状が悪化するおそれがでてきます。故にうつの方(家族も含む)へはこの治療法の効果と副作用も含めた説明と受け入れ、そして薬を追加するタイミングを見極める必要があるでしょう。

投稿者: 山王眼と心のクリニック

2015.12.07更新

 深部静脈血栓症という病気、エコノミー症候群といったほうが馴染みがあるかもしれません。長い時間同じ姿勢を保つと血液の流れが悪くなり、一部の血管に血栓、いわゆる血の塊が出来る病気です。そしてその塊が血管を通じて移動して肺の血管に詰まると肺の組織がダメになるなどの深刻な事態を引き起こします。

 統合失調症の患者さんが治療のために内服されている薬の重要な副作用の一つとしてこの深部静脈血栓症があげられます。特に適切な薬の内容と量でなければその可能性は高まるということです。前回お話しした統合失調症の患者さんが亡くなれるリスクを高めているのはその辺にも原因があるかもしれません。ならばリスクを減らすためには適切な薬と前回お話しした生活習慣の改善の両方が大事になってくると言えます。

投稿者: 山王眼と心のクリニック

2015.11.30更新

 前回から始まったこのブログでは眼科、精神科、心療内科領域の比較的新しい情報をかみ砕いて説明し、多少の私見を交えて、紹介していきます。尚、更新は不定期です。

 2回目に紹介するのはコロンビア大学の研究で100万人以上の統合失調症患者のデータを分析したところ一般人口に比べて亡くなれるリスクが高く、特に心臓や血管、呼吸器の病気でよくみられるという内容です。いずれも生活習慣に関連した病気で喫煙や不健康な食生活の改善を積極的に働きかければ亡くなるリスクを減らせるのではないかという意見ですが・・・続く

投稿者: 山王眼と心のクリニック

2015.11.24更新

 繊維筋痛症という病気をご存知ですか?体のあちこちに起こる激しい痛みが主な症状ですが、その他、頭が重く感じたり、疲れやすかったり、寝れない、落ち込む、不安といった様々な症状をきたす原因不明の難治性の病気です。

 今年の5月にうつ病に使う薬であるデュロキセチン(商品名サインバルタ)がこの病気の適応に追加されました。この薬はプラセボ(偽薬)との比較試験で約1年に渡り、痛みが和らいだり日常生活の改善が継続されたのが報告されています。

投稿者: 山王眼と心のクリニック

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